生活習慣病を徹底的に知って、自分に合った方法で予防しましょう!

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三大疾患でクローズアップされた生活習慣病

◇生活習慣病が減らない原因は?

生活習慣病とは、偏った食生活、過度の飲酒、喫煙、運動不足、肥満、睡眠の質や時間などが原因になり引き起こされる病気のことで「生活習慣を見直すことで予防、または改善できる病気」のことを指しています。

若いころから暴飲暴食を続けたり、職場では短い睡眠時間や不規則なシフトが続く生活を強いられたりすることがあるものです。心身共にストレスを溜める生活が続くことがあるかもしれません。20代や30代であれば、「このくらいどうってことはない」という妙な自信があったりしますが、ストレスが原因で胃潰瘍でも見つかれば、痛みのひどさに耐えきれず会社を辞める勢いで通院しそうです。

胃潰瘍は簡単に治る病気にもかかわらず痛みが酷いものだから、治るまで必要以上に通院を繰り返しそうです。そして簡単に痛みが治まると、ハードな仕事と暴飲暴食の再開です。そんなものです、人間なんて。

そんな不規則な生活習慣が長年にわたって慢性的に続いた結果、脂質異常や高血糖、高血圧、肥満などがあると、生活習慣病の危険因子になります。

飽食の時代とか食生活の西洋化と言われますが、栄養過多とカロリー過剰に加えて、肉食中心の食生活によって血液の質や血管に影響を及ぼしています。動物性の脂肪は凝固点が低いので、体内で固まりやすく排出しにくいものです。それが1日に必要な量を超えると、血管を含めた体全体の臓器に内臓脂肪として溜まっていきます。

この内臓脂肪の蓄積が肥満を招くだけでなく、肥満は糖尿病の原因になります。そして糖尿病から三大合併症(網膜症、神経障害、腎臓病)を引き起こすと、血圧、血糖値、コレステロール、脂質の全てをコントロールしていく必要が出てきます。

◇血管に影響を与える生活習慣病

生活習慣病というと悪影響を及ぼす臓器は漠然としているように思えますが、例外なく影響を受けるのが血管の状態と血液の質です。血管が原因となって多くの臓器に障害が及びます。そして、影響を及ぼした期間が長いほど、治りにくい性質を持っています。

人間の体には総延長10万キロメートルにも及ぶ血管があります。そのほとんどが毛細血管なので、長年使っている間に間違いなく症状が出てきます。そうなると手遅れになるケースが多くなっています。

高血圧や高血糖による脆さや弱さ、柔軟度・伸縮性の低下があり、血液の質では主に中性脂肪やコレステロールが関係してきます。もろくなった血管壁から浸出液が増えたり細い血管が破れやすくなると、臓器によっては大きなダメージを受けることになります。

高血圧と高血糖の状態が続くと、細い血管が弱く破れやすくなり、太い血管は動脈硬化を起こします。細い血管は細小血管や毛細血管と呼ばれて、網膜や腎臓の血管に影響が及ぶと失明や腎不全があり、太い血管では動脈硬化の進行が早くなるため、心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。

◇予防医療としての生活習慣病

職場の定期検診などで、危険性を数値的に知らされる事があります。「血圧の上が140だから放っておくと危険ですよ」とか、「空腹時血糖値が120を超えているので、糖分を控えてください」などと言われても、「ああ、そうですか」などと空返事をしながら、症状が全くないものだから、内心「まだ大丈夫だろう」とのんびり構えそうです。よほど悪化するまで無症状だから怖い生活習慣病ですが、高血圧症や糖尿病の影響も漠然としか考えられないかもしれません。

そして患者としては、検査の数値の単位や意味などあまり考えないものです。「塩分を摂りすぎると高血圧になるけれど、高血圧になったら塩分を摂らなければそれで済む」と安易に考えるのが普通の感覚です。高血圧は病気ではないので、それだけでは症状は出ません。そして、症状が出ない限り危機感を持たないのが人間というものです。

というわけで、症状が出てから対処すればいいというのが一般的な考え方ですが、自覚症状が出た時には手遅れになっていることがよくあるものです。生活習慣病の多くは実感のないまま進行していくことが原因になるので油断すると危険です。

予防医療として考えれば、検査の数値が異常であった場合、危機感がなくても数値のコントロールを持続していく事で発病を防ぐことができるという意味では、運動や食生活の改善で各数値を正常値に近付けることで、将来的に起こり得る病気の予防になります。

◇生活習慣病の問題点

一例として、糖を分解するインスリンの効果が低下すると、長年にわたって血糖値が高い状態が続きます。そして全ての血管に徐々に悪影響を与えていきます。腎臓などの臓器に合併症を起こした場合、どちらも初期であれば症状が出ないので、検査による数値によって糖尿病性腎臓病として治療を受けることになります。

そして、異常が見つかった場合は薬の服用や治療が行われますが、腎臓の症状が一時的に治ったように見えても単に軽い自覚症状が消えただけに過ぎず、血管に及ぼした根本的な原因は元に戻ることがありません。腎臓病の場合は自覚症状が出なかったり、軽い場合がほとんどです。尿から排出されるタンパクの数値が上がっていくと病気の原因になったり、合併症として数多くの病気を引き起こすことになります。

その治療を受けようと思うきっかけは人によって異なります。定期検診で異常値を示している時であったり、症状が出た時点や、日常生活に影響が及んだ時点など、その人の価値観によって異なってきます。

「この程度の症状であれば病院に行く必要はない」とか、「痛みは市販薬で我慢すればいい」という仕事優先タイプの人間は、どんな検査結果が出ようと「大丈夫だ」と思い込んで治療を受けない傾向にあります。そういうタイプにリスクが大きいように思えます。

※次のページでは、予防に失敗した場合に出てくる弊害を説明しています。    次のページへ

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